宵闇せまれば


1969年2月15日公開、プロダクション断層作品、日本ATG配給
監督:実相寺昭雄 脚本:大島渚 音楽:冬木透
出演:三留由美子、斎藤憐、清水紘治、樋浦勉、ほか

それで、どうして、こんなにがんばれるの?


冒険とは、遠くに行くことではなかった!
(まだ観てない人のために)

 この映画が制作される少し前、実相寺昭雄(じっそうじ あきお、1937年3月29日-2006年11月29日)は、1966年に『ウルトラマン』で6本、1967年に『ウルトラセブン』で4本、1968年に『怪奇大作戦』で4本を監督した。これらはシリーズ中の異色作として、ファンの評価の高い作品が少なくない。また、これらは全てカラー作品だが、『宵闇せまれば』はモノクロ・フィルムで撮影されている。
 宵闇せまるアパートの一室で展開する異色の冒険ドラマ。登場人物の台詞が哲学的ですらあり、理屈っぽい話が苦手な人にはツライかも知れない。少なくとも、『天空の城ラピュタ』よりは難しい。しかし、今、目の前にあることにバカバカしさを感じ、行き詰まってる人に、ぜひ観ていただきたい。甘美な回答は得られないかも知れないが、観終わった時、日常が違うように見え始める。
 DVD-BOX『実相寺昭雄コレクション』の解説によると、本作は、12チャンネルのTV用の大島渚(おおしま なぎさ、1932年3月31日-)の脚本に触発され、自己資金で「プロダクション断層」を設立して自主制作した、実相寺昭雄の初めての劇場公開映画である。


本作を観るために

 DVDで販売されている。レンタルもあるようだ。本DVDのメインの『青い沼の女』も傑作なので、ぜひコレクションしていただきたい。ただ、『宵闇せまれば』は、オリジナルのフィルムの状態があまり良くないうえに、おそらく修復もされてなく、時々、画面が乱れるのが残念である。


青い沼の女+中・短篇集
☆わたにゃん所有のDVD
国内版DVD
青い沼の女+中・短篇集
カラー&モノクロ、179分、片面・2層
モノラル&2chステレオ音声、スタンダード&ビスタ・サイズ
発売日:2003年12月21日
発売元:ジェネオン エンタテイメント株式会社
価格:4935円(税込)
型番:GNBD-1008
(収録内容)
 青い沼の女(1986年)
 宵闇せまれば(1969年)
 春への憧れ(1984年)
 東京幻夢(1986年)
 『12月8日、晴れ』-路面電車考-(2001年)


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