恐怖劇場アンバランス
第5話
死骸(しかばね)を呼ぶ女


1973年2月5日放送 円谷プロダクション、フジテレビ制作
監督:神代辰巳 脚本:山崎忠昭
出演:和田浩治、珠めぐみ、六本木誠人、穂積隆信、新井茂子、小林昭二、ほか

僕たちみたいなカップルが他にあるでしょうか?


三角関係な愛と死と
(まだ観てない人のために)

 1話完結の短編で構成された『恐怖劇場アンバランス』は、「常識の範囲の事件が起こるミステリー作品群」「不条理な怪現象が起こるホラー作品群」を含むが、本作は後者である。と言っても『木乃伊(みいら)の恋』(監督:鈴木清順)や『仮面の墓場』(監督:山際永三)のような過度に実験的雰囲気は無く(皆無ではないが)、鋭い直球勝負で、真面目すぎるくらい真面目な作品である。ちょっとだけ怖いが、ひとりで観られないレヴェルではないし、心臓が弱くても、恐らく観賞可能だと思う。
 内容は、かなりぶっ飛んだ三角関係のドラマである。ぶっ飛びすぎて、後半は神秘的な雰囲気すら漂っている。ふたりの男とひとりの女、もし男のひとりが死んだら? 恋愛の本質的な残酷さも、もっと重いもの(後述)も教えてくれる、まさに時代を超えた必見の作品である。とくに、三角関係の渦中にいる人には、ぜひ観ていただきたい。
 監督の神代辰巳(くましろ たつみ、1927年4月24日-1995年2月24日)は、日活のロマンポルノで多くの名作を残した人である(残念ながら、わたにゃんは、それらの作品を全く観たことがない)。しかし、本作では、幽体離脱するヒロインの激しいあえぎ声と、階段を上るヒロインや看護婦(死語)の見えそうで見えないぱんちゅとが、少しエロティックなくらいである。
 脚本の山崎忠昭(やまざき ただあき、1936年9月15日-1999年8月)は、『巨人の星』『ルパン三世』(TV第1シリーズ)など比較的初期のアニメなどで活躍された人である。本作の素晴らしいシナリオは、もしかすると代表作の1つかも知れない。


本作を観るために

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 DVDに同時収録の『地方紙を買う女』は、松本清張原作のミステリー。一部の人に評価が高いが、個人的には、あまり好きではない。出演は、井川比佐志、山本圭、夏圭子ら。監督は、森川時久。


恐怖劇場アンバランス Vol.3
☆わたにゃん所有のDVD
国内版DVD
デジタルウルトラシリーズ 恐怖劇場アンバランス Vol.3
カラー、123分、片面・2層
モノラル音声、スタンダードサイズ
発売日:2007年7月27日
発売元:株式会社デジタルウルトラプロジェクト
価格:3990円(税込)
型番:DUPJ-114
(収録内容)
 第5話 『死骸(しかばね)を呼ぶ女』
 第6話 『地方紙を買う女』
 特典映像
  1.井川比佐志、語る。
  2.夏圭子 幸せの瞬間(とき)
  3.『地方紙を買う女』三十八年目の再会

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『恐怖劇場アンバランス Vol.3』
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