ウルトラマン
第17話
無限へのパスポート (核心)


1966年11月6日放送 円谷プロダクション制作
監督:飯島敏宏 脚本:藤川桂介
出演:二瓶正也、石井伊吉、黒部進、桜井浩子、津沢彰秀、小林昭二、那須ますみ、ほか

そんなことしたら死んじゃいますわ。


おバカな真剣勝負
(まじめにレヴュー:{}内は、わたにゃんの解釈)

 書斎で、青い石を小さなハンマーで叩いて調べてる外人の中年男(ハンス・ホルネス)。突如、変形して2本のアンテナを伸ばす石。「ハァ~、ハァ、ア、タスケテ!」と、驚く外人。{ あくまでも妙な日本語で驚いてるのが、あり得ないが楽しい。} 部屋と外人が回転し始める。石も外人も消え、回転は止まる。落ち着いた雰囲気の美しい女子(那須ますみ)がコーヒーカップを乗せたお盆を持って入ってくる。「あっ、イエスタディさん?」と、イエスタデイ(外人の中年男)がいないので当惑する。
 科特隊本部。「バローン砂漠から帰った世界的探検家イエスタデイ氏が突然姿を消してから一週間たった。事件を持ち込まれた科特隊は、さっそくパリ本部にイエスタディ氏の旅行について調査を依頼した。」とナレーション(石坂浩二)。「キャップ! パリ本部からの通信です。」と、ムラマツ(小林昭二)にプリントしたカードを渡すフジ(桜井浩子)。ムラマツの周囲に集まる隊員たち。「何か、新事実は発見されましたか?」とイデ(二瓶正也)。 「先月、バローン砂漠で大流星が起こったって言うのよ。」とフジ。「う~ん。」とイデ。「イエスタデイ氏は、その時、変わった隕石を持ち帰ったそうだ。」とムラマツ。「しかし、彼からは何の発表もありませんでしたよ。」とハヤタ(黒部進)。「じゃあ、あまり変わった隕石なんで、出し惜しみをしてたんじゃないかな。」とアラシ(石井伊吉)。「するとイエスタデイ氏を消したのは…。」と、ひとり集団から離れるイデ。「隕石をねらったヤツの仕業だと言うことになる。」と、追いかけるアラシ。「そう。そして隕石のことを知っているのは…。」とイデ。「彼の一番身近にいた人間だ。」とアラシ。「うん。」と、うなずき、不敵な表情で斜め上を見るイデ。
 いきなり場面転換し、ほのぼの音楽。洋風の家の前でおじぎする、さっきの女子。{ 存在自体が反則(販促でも可)のような笑顔。一番身近な人間を疑ったら、ステキすぎる女子だったと言う見事なオチ。} オレンジの制服で現れるイデ&アラシ。{ 戦闘になることを覚悟してたらしい。} 「ちょちょっと、アラシくん。違うよ、この人、絶対、犯人じゃないよ。」とイデ。「オレもそう思う。」とアラシ。「うん。」とイデ。{ 一目でホレてしまったイデ。この辺りの二瓶正也の演技が楽しくてイイなあ。『ウルトラマン』では、むしろツッコミ役の冷静なアラシとの対比が上手い。} 少し離れて微笑んでる女子に、「どうぞ。」と、家に通されるイデ&アラシ。「どうぞ。」と女子。応接間のイスに座るアラシ&イデ。「私、イエスタディの秘書をしております、藤井洋子です。」と、自己紹介する女子。「初めまして。」とアラシ。「はっ、イデと申します。あの、実はですね…。」とイデ。「あ、あの、さっそくですが、イエスタディさんは、バローン砂漠から変わった隕石を持ってこられたそうですね。」と、イデをさえぎるアラシ。「はぁ。」と洋子。「それを見せていただきたいんですけれども。」とイデ。「実は、イエスタディと一緒に、隕石も無くなってしまったんです。」と洋子。「ええ?」とアラシ&イデ。その時、地響きが起こり、地震が来る。「おい、おい、表へ出るんだ!」とアラシ。「よし!」とイデ。{ 科特隊の2人は、もっと冷静でも良いかも。家が倒壊しかねない、激しい地震だったのかしら??? } 外に出る3人。「さあ、お嬢さん。」とアラシ。「お嬢さん、こっちへ早く。」とイデ。地震がおさまる。「おさまったらしいな。」とアラシ。「あ、あそこだ!」と、何かを見つけて走り出すイデ。追うアラシ。ボヨ~ンと言う音。草むらに倒れている男。駆けつける3人。「イエスタディ。」とイデ。気がついて、起き上がるイエスタデイ。「イエスタディさん!」とアラシ。「どこへ行ってたんですか?」とイデ。「ミスター・フクイ、アブナイ!」とイエスタデイ。「えっ。」とイデ&アラシ。「イエスタディ、ミスター福井がどうしたんですか?」とイデ。画面の手前に青い隕石が落ちている。飛び上がる隕石。「あっ。」と洋子。上空に飛び去る隕石を見ている4人。「書斎にいたイエスタディさんが、どうしてこんなところに現れたんだ?」とアラシ。「お嬢さん。ミスター福井が危ないっつってますけども。」とイデ。「彼の親友ですわ。」と洋子。「ウン。」と、ネクタイを直しているイエスタデイ。「もう一つの隕石は、福井さんに。」と洋子。「イデ、ここは頼むぞ!」と、去るアラシ。「うん!」と、敬礼するイデ。{ 洋子を深追いしない、あくまでも真面目なアラシ。このイエスタデイ家のシーンでは、何故か、イデ&アラシ、洋子は、イエスタデ「ィ」と発音している。}
 飛行するビートル。勇壮な音楽。操縦席のアラシ。{ お約束で、ビートルを登場させたかったようだ。イエスタデイの家まで、ビートルで行ってたのだろうか??? それとも、イエスタデイの家は科特隊の近所で、いったん本部に帰って、ビートルに乗ったのか、どっちだアラシ??? 後述の謎に注目。}
 応接間。アラシが奥に座っている。赤い石を持ってくる福井(永井秀明)。「これがイエスタデイ氏から分けていただいた隕石ですけれども。」と福井。「ほ~っ。これは珍しい。大変な値打ちもんですね。これじゃ、ねらうヤツが出てくるのも無理ないなぁ。」とアラシ。「じゃあ、イエスタデイさんは、やはり…。」と福井。「ええ。隕石をねらったヤツに襲われたんですよ。きっとそうですよ!」とアラシ。「すると、今度はアタシが…。」と、動揺する福井。隕石を持ち上げ、「そこで、ひとつご相談なんですが、この隕石を我々特捜隊にお預け願えないでしょうか? いろいろと調査をしてみたいし…。もちろん、保管しておくためですが。」とアラシ。「けっこうでございます。よろしくお願いします。」と福井。「はっ。じゃ、お預かりいたします。」と、立ち去るアラシ。「は、あの…。アタシも保管していただけないでしょうか?」と、追う福井。「はあ?」とアラシ。「いやあ、心配で…。」と福井。「はっはっはっ、分かりました。」と、事態を解し、笑いながら、「保管しましょう!」とアラシ。笑いあう2人。
 ドゥ~ンと言う音。道路の真ん中に落ちている青い隕石。乗用車がやって来て、車が止まる。運転席から降りた若い男(佐竹弘行)が隕石を拾う。「先生! 何でしょう?」と若い男。後部座席の中年男(舟橋元)に隕石を見せ、「先生、隕石じゃないでしょうか?」と若い男。「うん、変わってるね。よし、調べてみよう。」と先生。「はい。」と若い男。パーカッションがメインのヘンな音楽が始まる。丸い屋根の研究所に着く車。{ 研究所の助手が運転手もやってるのが味わい深い。}
 隕石に照射機(?)を近づけ、実験を始める先生。赤い光を当て、波形を記録している。{ 何か、とんでもない結果が出てる雰囲気。} 「おい、吉沢くん!」と、助手を呼ぶ先生。突如、隕石が変形し、アンテナを伸ばす。驚く先生。雷のような音と閃光。実験室の空間が歪み始める。見えない壁に包囲され、逃げられない先生。不思議な音が響き、叫んでも、声にならない先生。{ 味のある力演・その1。} 廊下を走り、駆けつける、白衣の助手(さっきの若い男)。ドアを開け、「ああっ!」と驚く助手。そこはモダンアートな部屋。信じられない表情の助手。{ 味のある力演・その2。}
 科特隊本部。「はい。科特隊本部。えっ、川口研究所ですね。了解!」と、通信を受けるフジ。「キャップ。川口熱線研究所に異変が起こってるそうです。」とフジ。「よし、ハヤタ来い。」と、立ち上がるムラマツ。追うハヤタ。「あ、キャップ! あの、ぼくたちは?」とイデ&アラシ。「2人は、その隕石を保管室にしまい、厳重に監視するんだ!」とムラマツ。「いや、あの、キャップ!」と、不服なイデ&アラシ。{ 2人の台詞がシンクロしてるのが面白い。} ムラマツ&ハヤタが去り、落胆する2人。「おい。」とイデ。「うん。」とアラシ。隕石を運んで行く2人。通信機を操作しているフジ。不意に、フジの肩を叩く手。「ホシノ君!」とフジ。「大事件が起こってるんだね。話はみんな聞いちゃったんだ。」とホシノ少年(津沢彰秀)。{ どこから侵入したのだろう??? 守衛はいないのか??? } 「でも、おとなしくしてた方がいいわ。今回は子どもの手には負えない事件なのよ。」と、腰に両手を当て、上から見下ろす目線のフジ。{ フジの方が少しだけ身長が高い。何気に、名コンビ。} 「そんなにバカにしないでよ。」と、ドアに向かうホシノ少年。「あ、どこ行くの?」とフジ。「ぼくだって、遊んでる訳にはいかないよ。」と、去るホシノ少年。「ホシノ君!」とフジ。
 廊下を走る、助手、ムラマツ&ハヤタ。「信じられないことですが、実験室へのこのドアを開けると…。」と、ドアを開ける助手。低い機械音。「あっ。」と助手。中に入る3人。元の実験室だが、変形した隕石が現れ、「うわぁぁ!」と、{ 妙なアクションを繰り出し、}逃げ出す助手。ドアを開けて飛び出すと、赤っぽい光につつまれ、研究所の外の芝生に放り出さ、斜面を転がり落ちる。{ 何故か、助手のことは放っといて、}「こちらムラマツ、科特隊、応答せよ!」と、バッジのアンテナを伸ばし、通信を試みるムラマツ。元の形に戻った隕石を抱え、ハヤタが来る。「科特隊、応答せよ!」とムラマツ。「キャップ、ムダです。ここは四次元の世界になってしまったんですよ。」とハヤタ。「くそぉ。」とムラマツ。「そうか。イエスタデイ氏も四次元の世界に閉じこめられていたんだ。」と、気づくハヤタ。周囲を見まわす2人。
 科特隊本部。「キャップ、応答せよ! ハヤタさん!」と、通信を試みるフジ。フジから無線機を取り上げ、「キャップ、キャップ!」と、通信を試みるイデ。が、「ダメだ。」と、秒殺であきらめる。「イデ、行ってみよう。」と、冷静なアラシ。「よし!」とイデ。出撃する2人。「キャップ、キャップ!」と、再び、通信を試みるフジ。
 さっきの実験室。「待て、ハヤタ!」とムラマツ。「キャップ、こいつをここから外へ出すことです!」とハヤタ。ムラマツを後方に退避させ、「ふんっ!」と、壁に向かって、隕石を投げるハヤタ。{ 何故、壁に投げる??? } 青く光りながら、縮小していく隕石。見ている2人。「おおい、誰か!」と男の声。駆けつける2人。「誰か来てくれ!」と、パニックってる先生。「川口さん。」とムラマツ。「どうしたんですか。」とハヤタ。部屋が元に戻ってることに気づき、「あ、あ? これは?」と川口博士(さっきの先生)。
 道路。科特隊専用車が停車する。ドゥ~ンと言う音とともに、落ちている青い隕石にフォーカス。イデが拾う。アラシと顔を見合わせ、「コイツ、人騒がせなヤツだな。」とイデ。「う~ん。」とアラシ。「うん?」と、何かに気づくイデ。研究所から出てくるムラマツたち。川口に肩を貸してるムラマツ&ハヤタ。白衣を脱いだ助手もいる。{ 病院へ行くから白衣を脱いだのだ! } 「あ、キャップ! 何だ、無事だったんですか。」と、駆けつけるアラシ。「そんな残念そうな顔をするな。」と、川口に肩を貸しているムラマツ。「は、さあ代わりましょう。」と、ムラマツと入れ替わるアラシ。「これで、物騒な隕石は2つそろった訳だ。」と、隕石をムラマツに渡すイデ。{ 後で出てくるが、しっかり話を聞いてる川口。立派だ。} 「う~ん。何か分かるかも知れん。帰って調べよう。」とムラマツ。「はい。」とイデ。手前に歩くムラマツの持つ隕石のアップ。
 隕石のアップがシュークリームのアップになる。{ 面白い演出 (≧∇≦) } 「Thank you.」と、シュークリームを受け取るイエスタデイ。{ 1人分のシュークリームしかナいのか??? } 「アノインセキハ、2ツアル。ケレドモ、アワセルト、1ツニナリマス。」とイエスタデイ。「おもちゃみたいですね。」とホシノ少年。「オモチャナンテ、トンデモナイ。1ツニナルト、オソロシイ。ワタシハ、ソウオモイマス。」とイエスタデイ。「1つにするとどうして恐ろしいことが起こるんですか?」とホシノ少年。「ウ~ン。」と、考え込むイエスタデイ。{ 分かってないんじゃん (ノд`) }
 科特隊の保管室。ガラスケースに入れた2つの隕石を見ているムラマツ、福井、洋子、フジ、イデ、アラシ。ドゥ~ンと言う音。「どうしてこれが恐ろしい事件を起こしたのかしら?」とフジ。{ 皆、「恐ろしさ」を強調してるが、今のところ、重傷者もいない。} 「きっと、2つに別れていたからだろう。」とムラマツ。「じゃあ、これで1つにまとまったし、万事、めでたしめでたしって言うところですね。」とアラシ。「うん。」とムラマツ。{ 時々、ムラマツってボケ役??? と思う時がある。} 「しかし、今後のこともありますので、早く処置していただいた方が。」と福井。「はい。イエスタディも異存ないと思います。」と洋子。「取りあえず、バリア・ケースに保管しておいて、処理の方法を慎重に考えましょう。」とムラマツ。「は。」と福井。{ MATみたいに、すぐ始末しないのが良い感じ。} 全員、立ち去る。2つ並んだ隕石が動きだし、接触する。{ 誰もいなくなると動き出す。ドリフのコントみたい。} 音楽。CM(?)
 病室。パジャマ姿の川口のアップ。「あれは無重力圏の谷間から落ちてきた生物ではないでしょうか?」と川口。{ 無重力圏の谷間って、何だ??? } 「生物?」とハヤタ。「普段は隕石の形でいるが、何らかの刺激が加わると姿を変えるんです。私はアレにスペキュラー熱線を当てて、分析しようとしたんですが…。ハヤタさん、あの隕石に片割れがあるとかおっしゃいましたな。」と川口。「はあ。保管してありますが。」とハヤタ。「一緒のところに置かれてあるんでしょうか?」と川口。「多分。それがどうか?」とハヤタ。「核融合が行われて、巨大な生物になりやしないでしょうか。」と川口。{ 水爆かっ??? 言葉が不適切な気がする。} うなづく助手。立ち上がり、バッジのアンテナを伸ばして、「本部。こちらハヤタ。」と、連絡するハヤタ。 「はい。本部。」とフジ。「保管室に異常がないか、調査してください。」とハヤタ。
 1つにくっついた隕石を見ているホシノ少年。{ イエスタデイの家を訪問してたホシノ少年は、ここまで、どぉやって移動したんだ??? ( ゚∀。) チャリ? セバスちゃん? 何だか、早すぎる気が… ( ̄□ ̄;) イエスタデイの家は近所なのか??? そうでナかったら、科特隊本部に容易に出入りするホシノ少年は、テレポートがデキるエスパーじゃないかと思うのだが…。} 「コラ! ホシノ君、ダメじゃないの。」と、怒るフジ。「これを1つにすると危ないんだよ。」とホシノ少年。「そんなこと言ってごまかそうったってダメよ。さ、帰りなさい!」とフジ。「後悔しても知らないからね。」とホシノ少年。「ええ、何とでもおっしゃい。」とフジ。「ねえ、ホントに危ないんだ。1つにしちゃいけないんだよ。」とホシノ少年。「分かった分かった。さあ、いらっしゃい。」とフジ。{ ホシノをかまうのが楽しくて、隕石の異変に全く気づかないフジ。ダメなヤツ…。} 「ぼくはちゃんと調査して来たんだぞ。」とホシノ少年。{ イエスタデイの要領を得ない話を聞いてきただけだが…。} 不気味な音を出してる融合した隕石のアップ。「フジ君、隕石に異常はないか? フジ君!」とムラマツの声。{ フジは持ち場を離れてしまったようだ。誰もいないのを確認して、隕石は怪獣化を始めたらしい。}
 本部。「フジ君、応答せよ。」と、ヘッドフォンを付けたムラマツ。「キャップ、ただ今、言うことを聞かない少年を外へつまみだしたところです。」と、応えるフジ。「イデ、保管室を見て来い!」とムラマツ。「ハイ!」とイデ。その時、建物がゆれ始める。「どうしたんだこりゃ?」とアラシ。視界が歪み、計器や時計が狂い始める。「どうしたんですか?」と福井。「四次元現象だ。」とムラマツ。{ 本作の助監督を務めた鈴木俊継は、『ウルトラセブン』の『怪しい隣人』を監督し、秀逸な異次元空間を表現している。} 「キャップ、保管室を調べて来ます。」とイデ。「よし。」とムラマツ。保管室に向かおうとするアラシ&イデに、「おい、待て! 怪獣はそこにいるかも知れんぞ。」とムラマツ。{ 何故、「怪獣」と言う??? 建物が揺れたからか。}
 「行きなさい!」と、遠くを指さすフジ。納得がいかないホシノ少年。「あっ!」と、何かを見つけ、フジの手を引っぱって走り出すホシノ少年。「な、何よ、どうしたの? 離してったら!」とフジ。「怪獣だよ!」と、指さすホシノ少年。「そんな手はもう古いわよ。」とフジ。不気味な鼓動が聞こえる。「はっ!」と、気づくフジ。「ぼくの言う通りにしないからだよ。」とホシノ少年。「早く!」と、ホシノ少年を連れて退避するフジ。科特隊の建物に寄生してるような怪獣。ハヤタが科特隊専用車で来る。「さあ、乗るんだ!」とハヤタ。後部座席に乗り込んで、「オッケー。」とフジ。2人を乗せて走るハヤタ。
 科特隊の基地と一体化してる不思議な形の怪獣。突起の一つからアンテナが出て、振動している。離れた場所で、通信を試みるハヤタ。「見る見るうちに四次元の霧に包まれてしまった科特隊本部は、すでに無線連絡も通じない世界になっていた。」とナレーション。
 科特隊本部。取り残された5人を上から見下ろすカメラ。「ちきしょ~。」とアラシ。「よし、何とか出口を見つけてみよう。四次元の世界にだって、出口はあるはずだ。」とムラマツ。「キャップ、洋子さんと福井さんは、私が引き受けましょう!」と{ 洋子にこだわる }イデ。「よし、機械室を通って、裏口へ出ろ。」とムラマツ。「さあ、行きましょう。」とイデ。「ええ。」と洋子。立ち去る3人。「アラシ、我々は保管室へ行って、隕石を始末するんだ。」とムラマツ。「はい!」とアラシ。
 廊下を歩くイデ、洋子、福井。「さあ、こちらです。」と、2人を先に部屋に入れるイデ。部屋の中の3人。洋子の髪やスカーフが逆立っている。天井に立っていることに気づき、驚く3人。画面が上下反転する。「や、これはいったいどうした! よ、う、うぅ~!」と、床に手を伸ばすが、届かないイデ。
 通路を走っていたムラマツとアラシだが、いつの間にか外の緑地を走っている。「キャップ!」とアラシ。周囲を見まわす2人。
 「もうすぐです。」とイデ。階段を上るイデ、洋子、福井。屋外の階段に変わり、イデは、コミカルなアクションで、天に延びた階段をひとり駆け上がって行く。コミカルな音楽。「お~い、君。お~い。」と福井。「イデさ~ん。」と洋子。「あ、い、う! ひゃ~っ!」と、動転するイデ。階段の途中で寄り添う洋子と福井。{ 洋子と福井が抱き合ってるように見えるし (ノд`) }
 崖の上に現れた3人。「さあ、飛び降りましょう。」とイデ。「そんなことしたら死んじゃいますわ。」と洋子。風の音。「いや、四次元の出口は、案外、この下にあるかも知れませんよ。」とイデ。「いやしかし、君、この際、あまり突飛な実験は…。」と福井。「まぁ、まかしといてください。」とイデ。「あ、危ない、おい、君。」と福井。「さあ、行きますよ。」と、岩の上に立ち、「いやぁ~。」と、飛び降りるイデ。逆さになって、ゴミ箱に頭をつっ込んでるイデ。転倒して、「あ~、痛い痛い痛い!」 ゴミ箱をかぶったまま起き上がり、「ちきしょう、今度は暗闇の世界か?」と、相撲の突っ張りのようなアクション。{ イイな、イデ。だが、これは怪演ではナい。怪しさが皆無なのが、二瓶正也の偉大なところだ。}
 廊下のムラマツ&アラシ。「アラシ、壁だ、壁にぶつかってみよう。」とムラマツ。「でもキャップ、向こうには何があるか分かりませんよ。」とアラシ。「しかし、何時までここにいても脱出できんぞ。」とムラマツ。「はい。」とアラシ。助走のため後退する2人。「よし、行くぞ。」とムラマツ。「とあ~。」とアラシ。壁を突き抜けるが、本部に戻ってしまう。ドアが開いて、洋子と福井が入ってくる。「キャップ~、キャップどこですか? 声はすれども姿は見えぬ。キャップ~、キャップどこですか?」と、ゴミ箱をかぶったイデがやって来る。引いてるムラマツ、洋子、福井。「バカっ!」と、ゴミ箱を取るアラシ。{ ツッコミ役のアラシ。ボケ役のフルハシとはまったく別人なのが、『ウルトラセブン』のファンには新鮮。} 洋子に醜態を見せてしまい、気まずいイデ。{ 明らかに不快な表情の洋子。イデ、これにて轟沈 (ノд`)(ノд`)
 外を走る戦車隊。{ 時代を感じさせる戦車だが、映画などで使ったらしい精巧な模型を走らせてる。} 「彼らが四次元の世界を堂々巡りしている頃、アキコ隊員の連絡で出動した防衛軍も怪獣の奇怪な攻撃に手こずっていたのである。」とナレーション。戦車隊を待ち受け、小さく振動している怪獣。心臓の鼓動のような音。{ あのプリズ魔とも良い勝負のユニークなデザイン。} 砲撃する戦車隊。{ 何故か、無人のジープが混じってるし。} 怪獣の突起からアンテナが出る。撃った弾が戻って、戦車隊を襲う。別のアンテナが出て、怪光線を放つと、後退した戦車隊は陥没した地面に呑み込まれる。地面は元に戻り、戦車隊は消える。{ ほとんど、メガCDの伝説的バカゲー『SWITCH』の世界。} 「あっ、消えちゃった!」とホシノ少年。フジと顔を見合わせ、苦い表情のハヤタ。
 回転して移動する怪獣。{ 動きも面白いし。} 戦闘機隊がやって来る。また、アンテナから怪光線。消失する戦闘機隊。地面を這うように進み、爆発してしまう戦闘機隊。空を飛びながら、爆発して落下する戦車隊。炎上する戦車隊の向こうに怪獣。{ 人間が攻撃しなければ、何もしなかったのかも。対話を試みる選択肢はナかったのか??? }
 「よぉし!」と、走り出すハヤタ。驚き、「ハヤタさん!」とフジ。走るハヤタ。ウルトラマンに変身する。怪獣に近づくが、怪光線で身動きが取れなくなり、空中で回転させられるウルトラマン。で、ウルトラマンの立つ地面が陥没し、白煙の吹き出す空間に吸い込まれる。「シュワッチ!」の声とともに脱出し、怪獣の前で、高速回転するウルトラマン。{ ピンチになると、高速回転するのがウルトラシリーズ。思いつくだけでも、ウルトラセブンは、対アイアンロックス、対にせウルトラセブンで、帰ってきたウルトラマンは、対バリケーン、対キングマイマイで、高速回転してた。} 怪獣の1つの突起に爆発が起こる。{ 「思考回路はショート寸前」と言う歌があったが…。} スペシウム光線を放つウルトラマン。命中し、全身から火花を吹く怪獣。空に飛び上がるが、2発目のスペシウム光線をくらい、爆発を起して落下する。カラータイマーの音。小さくなった隕石を拾い、ベキグシャっと、握りつぶすウルトラマン。{ このトドメがイヤすぎる。楽しい怪獣だったのに…。} 空の彼方に飛び去るウルトラマン。{ いつもより高く飛んだのは、怪獣(死骸?)を宇宙に返したのか??? やや、説明不足な印象。}
 科特隊専用車が走ってくる。道路に倒れているハヤタを見つけ、駆け寄るフジ&ホシノ少年。気がつくハヤタ。「ハヤタさん、大丈夫?」とフジ。「ああ。」とハヤタ。「イヤだなあ。あんな勢いで飛び出しておいて、だらしないよ、ハヤタさん。」とホシノ少年。
 科特隊本部で、計器を操作するイデ。「よぉし、これで正常運転に戻ったぞ。キャップ、助かりましたよ。」とイデ。「うん。」とムラマツ。スパイダーを構え、「今度こそ、四次元怪獣に一泡吹かせてやる番だ。スパイダーショットの威力を見ろってんだ。」とアラシ。「じゃ。」と、走り出すアラシ。だが、ドアが開いて、ハヤタ&フジ、ホシノ少年が入ってくる。「どこ行くんだい。」とハヤタ。笑うフジ。「何がおかしいんだい?」とアラシ。「アラシさん、怪獣ならとっくに退治しましたよ。」とホシノ少年。「え、君がかい?」とアラシ。「違いますよ。」とホシノ少年。「ぼくだよ。」とハヤタ。「ほ、本当かい?」とアラシ。「ウソよ。ウルトラマン!」とフジ。白けてしまうアラシ&イデ。「ぼくはホシノ君に助けてもらったんだよ。ね。」とハヤタ。{ そのような事実は、特にナいのだが…。ある意味、本作の致命的な欠陥とも言える部分 ( ̄□ ̄;) } 「ほほぉ、うちの隊員がホシノ君に助けられたと言うのか?」と、笑うムラマツ。笑うハヤタ&フジ。「よぉし、ご褒美をあげよう。」とムラマツ。腕を組んで考えるホシノ少年。「さぁて、何が良いかな。」とムラマツ。{ 小林昭二は子供が好きなんだな。愛がある。} 科特隊の戦闘服に変わるホシノ少年。{ この場面、別の回にやってほしかった (ノд`) その分、四次元怪獣の描写をいっそう強化デキたハズだ。イデの一人芝居な独白でも良かった。} 全員拍手。{ 洋子&福井もいる。肝心のイエスタデイは、家でシュークリームを食ってるのか??? }


ツッコミどころ

  • タイトルがカッコ良すぎ。ハードなドラマを期待させるじゃないか。
  • 結局、イエスタデイが隕石を公表しなかった理由は???
  • 左ハンドルの科特隊専用車が、どうも納得いかない。
  • ブルトンって、やっぱし、あのブルトン??? 『シュルレアリスム宣言』の (・∀・)

わたにゃんが感情移入した人物

 職務を私物化し、洋子に走ったイデ。わたにゃんに似てる。


ふと思ったこと (*´∀`)

 やっぱし、ホシノ少年へのご褒美の場面が納得いかない ( ゚∀。) ホントに手柄を立てた回にやってほしかった。
 川口博士&吉沢助手は名コンビなので、他の作品でも活躍してほしかった。荒唐無稽な物語をいい大人が真剣に演じるからすばらしいのだ。
 イデ隊員は、おかしなことばかりしてるが、少しも怪しくナい。二瓶正也は怪優ではナいのである (*´∀`) もし、イデ隊員を演じたのが岸田森であったら、『ウルトラマン』は別の物語になってたであろう。
 メガCDの『SWITCH』(1993年)をやってみたくなった。長生きして、アァティストを引退したら、誰かと笑いながら、じっくりと… (*´∀`)


  Ver. 0.10 2011年09月11日31時27分頃、完了。


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