森田童子
good-bye グッド・バイ


1975年10月21日、ポリドールより発売

君から借りた太宰の本は…


青春時代が終わり、取り残される「ぼく」
(まだ聴いてない人のために)

 森田童子の1stアルバム。奇しくも同年に山崎ハコの1stアルバム『飛・び・ま・す』が出ている。ともに1stアルバムでありながら、超絶の完成度である。太宰治の絶筆『グッド・バイ』を思い出させるアルバム・タイトル。本アルバムに収録された『まぶしい夏』には、「太宰の好きな君は」、「君から借りた太宰の本は」と言う表現があり、太宰治の作品に触発された部分が少なからずあると思われる。
 また、メロディが非常に美しく、私見だが、ショパンの影響も見出される。ソロの弦楽器、アコースティック・ギター、ピアノを主体にした室内楽的で親密な伴奏にのせ、その弱さ(あるいは、敏感さ)ゆえに敗北した青春の苦い思い出を比類なく透明な声でつづってゆく。
 森田童子は女性であるが、男同士の友情を歌うことが多く、他の歌手たちと比べても、かなり異色である。まだ学生運動の火が残っていた時代の音楽であり、わたにゃんは1968年生まれだが、小学生の頃、「反対派の学生たち(?)が、どこどこ(N空港?)に、妨害鉄塔を建てた。」とか言うニュースを何回も見た記憶がある。


本作を聴くために

 森田童子のCDは、現在、全て絶版。わたにゃんは、プレミア価格の中古CDを1~2年くらいかけて集めた。ネットでアップされているかも知れないが、単一の曲を聴くのではなく、組曲であるアルバムとして聴いて欲しい。


森田童子 グッド・バイ
☆わたにゃん所有のCD
国内版CD(廃盤)
森田童子 good-bye グッド・バイ
発売日:1993年4月10日
発売元:株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
価格:2200円(税込)
型番:WPCL-747
(帯のコメント)
君と同じ青春のまっただ中にいるひとりの孤独なシンガーソングライターが君に送る手紙です。今、これを君に送ります。


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